私も子供も、第2志望校で気持ちが固まったのに……
待っていたら来ない、あきらめたら来る。神様は実に気まぐれだ。
落ちついて「それ」を待てるように先輩パパ・ママの経験談を聞いておこう。繰り上げ合格に翻弄された3家族の物語。
エピソード2( あじさいさん F女子)
どっちか決められず、腹の据わった女性家庭教師に相談すると……
チャレンジ受験(合格が難しそうな学校を受験すること)だった第1志望校から電話がかかってきたのは、入試から8日後のことだった。第2志望校の入学手続きも終わり、ぼんやりと私(母)1人でテレビを見ていたお昼前のこと。
「入学の意思があるかどうか、今返事が欲しい」と言われたが、娘はまだ小学校だ。本人はすでに合格した第2志望校への入学を楽しみにしている。仲の良い塾友も一緒に入学するからだ。私の一存では決められないと考え、「娘が帰宅するまで返事を待ってもらえませんか?」と頼み込み、いったん電話を切った。
第1志望校からの合格は確かに嬉しい。でも第1志望校は最後まで受けるかどうか悩んだチャレンジ校だった。ここへ入学しても娘の学力では数学で苦労することは目に見えている。娘があっけらかんとしたタイプならいい。全く逆の繊細なタイプの娘には実力相応の学校で、楽しく過ごしてほしいと考えていた私は、今すぐに誰かの意見を求めたかった。真っ先に電話をかけたのは、入試直前の12月から急きょお願いしていた家庭教師の先生だった。腹の据わった中年女性で、ふだん生意気な娘も先生にはさからったりしなかった。