競争力そのものが「安全保障」になる
第3に、半導体の素材や装置で高い競争力を持つこと自体を、経済安全保障上の強みとして認識することだ。相手国が簡単には代替できない製品を持つことは、供給網をめぐる交渉力にもつながる。
中国が日本への経済的な圧力を強めても、日本製ジクロロシランを簡単には切れない理由は、数字が示している。国内需要44万キログラムに対して国内生産は14万キログラムにすぎない。需要全体の6割以上を、日本からの輸入が占めている。習近平政権が対日強硬姿勢を強めても、現時点では日本製を簡単に切ることができない。だからこそ、輸入を止めるのではなく、反ダンピング調査に乗り出したのである。
ただし、中国は約7兆円規模の国策ファンドを構え、半導体の国産化を進めている。いま日本が握っている優位を、5年後、10年後も維持できるか。それは、これからの投資と技術開発にかかっている。


