「若手は全員、現場に出ろ」の悪夢

そもそも、藤沢の異動には、部長同士の間でこれまでの経緯を踏まえ、最初から負荷を与える業務をさせないという協定があった。そのため、激務を負う部署に配置されることなく、比較的マイルドな部署に配置されてきたことで心も癒されてきた。

書影
大下英治『ルポ 電通 「日本最大のタブー」決壊の深層』(清談社Publico)

このまま、楽な部署でリハビリを続けさせてもらいたかったが、大組織改革により「若手は全員、現場に出ろ」という号令が組織的に出された。個人の思惑などまったく反映しようとはしない組織改変があり、藤沢には、一番行きたくない部署への異動の言い渡しである。

〈一番希望しない部署に配置するということは、「もう辞めろ」っていうことなのかな〉