記憶力や注意力もトレーニングで向上可能

えっ、ものを探して見るだけで脳が活性化するの? と驚きですよね。オーストラリアの研究者エミリー・G・ロウ氏らの研究によると、人がものの動きを見分けるとき、脳は遠回りせずにすばやく視覚運動情報を送る「近道ルート」を使っていることがわかりました。

このルートは、よく使うほど視覚運動情報がスムーズに流れるようになり、動きの認識がより速く正確になります。視覚の働きは、生まれつきだけでなく、日々の経験によって鍛えられる可能性が示されています。

特に、仕事や作業の手順を映像やお手本で見ても一度ではなかなか覚えられない、という人に、このトレーニングはおすすめです。

「見る力」を養うと同時に、記憶として定着させる能力も向上しますし、探し物が見つけやすくなったり、人やもののちょっとした変化にすぐ気づけるようになったりと、仕事の能力全体の底上げにつながります。

「見る力」を向上させるトレーニングとしては、人ごみの中をすり抜けて歩く、というのも有効です。ただ人の流れに乗って歩くのではなく、行き交う人々の間を縫うようにして進んでみましょう。

人ごみの中で人にぶつからずに歩くには、周囲の人の動きを見て、空いたスペースを探し、足を運ぶというプロセスが必要ですね。これをうまくやれるようにトレーニングすれば、視覚系と運動系の脳番地を同時に鍛えることができます。

見る力を養うには、眼球の動きも大きく関わっています。

車窓から数字を探したり、人ごみを歩くときには、眼球は大きく動いていますね。ところが、スマホばかり見ていると眼球はあまり動きません。脳を活性化させるためにも、通勤中には意識的にスマホから目を離す時間をとってみてください。

アイデアが必要なときはまず家の外に出る

新しい企画を出さないといけない、課題の解決策を示さないといけない……なのに、いいアイデアが浮かばないときってありますよね。

そんなとき、早起きして家で頭をひねっていても、なかなか「これ!」という案は浮かばないもの。それは、家の中には気を散らすものがとても多いからです。家族が起きてくる物音だったり、朝ごはんを用意しないといけなかったり、洗濯物が仕上がった合図が聞こえたり……そんな環境にいると、脳の集中はどうしても妨げられてしまいます。

アイデアがほしいときには、まず家の外に出ること。集中を途切れさせる環境から距離を置くのです。