「ゆすぎ」は1日何回やってもいい

さらに時間をかける意識を持ってほしいのが「ゆすぎ」です。グジュグジュパー、グジュグジュパーを、1日トータルで何十回もやってほしい。磨きっぱなしにしては元の木阿弥もくあみ。磨いたものを全部きれいに洗い流さなければいけません。

洗口液は必要ありません、水でいい。特に寝る前です。やらないと、寝ている間に口腔こうくう内の雑菌が気管内に垂れ落ちていきます。起きていればせきをするなどでたんとして出せるのですが、眠ってしまうとできません。夜間睡眠中の不顕性誤嚥ふけんせいごえんといいます。これが肺の奥深くに達すると、誤嚥性肺炎のリスクになるのです。ですから本当にしっかりとゆすぎましょう。

歯磨きと口のゆすぎ
左写真=iStock.com/kohei_hara、右写真=iStock.com/eternalcreative
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肺炎は日本人の死因の第5位になっており(2024年「人口動態統計」厚生労働省)、長寿のためにはぜひ気をつけたい病気です。特に高齢肺炎の大半は誤嚥性肺炎です。

「正月のもち」よりこわい誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎といっても、食べものを飲み込み損ねてというケースは少ない。

意外に思われるかもしれませんが、食物誤嚥ではないのです。夜間睡眠中の不顕性誤嚥が高齢者の肺炎の原因です。これは、睡眠中に唾液が気管に垂れ落ちることで起きます。昼間の誤嚥であれば垂れ落ちても咳反射で痰として出せますが、睡眠中だと咳反射がなく、身体の反射が起こらない不顕性誤嚥になってしまうのです。

オーラルフレイルや口腔機能低下症になると、夜間睡眠中に雑菌をたくさん含む唾液が気管に垂れ落ち続けます。夜間睡眠中は咳反射がないので、知らない間に誤嚥性肺炎を発症します。まさか自分の唾液で肺炎になるなんてと思うかもしれませんが、現実はそれが非常に多いのです。

ですから、寝る前の口腔ケアが非常に重要です。歯磨き、口をよくゆすぐこと、この2つです。寝る前、面倒がらずに5分や10分は口腔ケアに使うことが、誤嚥性肺炎の最大の予防策なのです。