爆風で向かいのホームまで吹き飛ばされる
広島駅は本館の前の「張りぼて」の出札室がつぶれ、多数の旅客が下敷きになった。駅長室のある別館は半壊、2階の車掌区はつぶれ、ホームにいた人たちは二線路隔てた向かい側ホームまで吹き飛ばされる。
各ホームの上屋はほとんどの柱が折れたり、ねじ曲げられたり、線路上に倒れたりしていた。それでも駅長木村英雄は血のにじんだ包帯を頭に巻いて部下を指揮し、刻々と集まってくる情報を取りまとめて部隊長(広島鉄道統監部)に第一報を送った。それが午前10時。駅長の指令によって列車の疎開や車両の転線などが実行されたという。
一方、二等水兵の棚橋又吉は駅頭で「曳火高性能爆弾」と書かれた張り紙を目撃し、流言飛語に惑わされず落ち着いて行動せよ、広島で見たことは話すと罰せられる――などと憲兵がメガホンで叫んでいたと証言する。
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