現場の声を無視し、多くの社員が犠牲に

世間に流布するEVシフトのイメージとは異なり、中国市場を除くとEVの販売が伸びなかったことや、EVの販売は補助金に大きく依存していること、ピックアップトラックのような大型のエンジン車が好まれる米国市場ですらハイブリッド車の販売が伸びているという「現実」を、マーケティング部門が突き止めていないはずはない。

では、EVの販売はどうかというと、それもいまひとつだ。2010年に三菱自動車と共に世界に先駆けてEVを発売し、市場実績の点で優位性を持つはずが、高級EVでは米テスラの、大衆EVでは中国・比亜迪(BYD)の後じんを拝した。社内に技術があり、市場分析もしているはずなのに、なぜ米国市場がここまでぼろぼろなのか。

中国、蘇州のBYDショールーム
写真=iStock.com/winhorse
※写真はイメージです

自動車系アナリストからは「社長である内田氏が、技術担当役員をはじめ他の役員の報告をまともに聞いていなかったとしか考えられない」(Touson自動車戦略研究所代表の藤村俊夫氏)という厳しい指摘が上がっている。

こうして日産ネクストでリストラに失敗したために、さらに大きなリストラであるリ・ニッサンの実行を余儀なくされた。それが、現在の日産自動車というわけだ。

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