行く先が見えない今のご時世に、結果を出している人がいる。彼らはいざというときに力を貸してくれる「自分だけのとっておき」のグッズやスポットを持っていた。

努力だけではどうにもできない、想定外の出来事も起こりうるのがビジネスだ。それだけに自分だけのラッキーアイテムを肌身離さず持ち歩いたり、験かつぎをしている経営者は少なくない。彼らはどんなアイテムをどのような考えに基づいて持っているのだろうか。

御守りは財布に。バッグはファッションによって変わるが財布は変わらないから。

外資系教育会社での営業時代に世界2位の成績を収めた実業家の和田裕美さんのそれは「御守り」だ。昨今のパワースポットブームよりずっと前からの神社好きで、現在、3種類の御守りを所有。特にこの10年間、毎年必ず入手しているのが熊野本宮大社の「勝守」だ。

「この神社は『どんな人でも受け入れる』と敷居が低い代わりに、願う側にも『それなりの努力をしないといけませんよ』と一定の精進を求めるスタンスなんです。かつて徳川家康は、共に戦う武将に対し、この神社のお札に1人ずつ署名させました。熊野の神様に誓ったのだから裏切るなと。

だから、『勝守』を持つとき、私は直近の課題に全力を挙げることをコミットします。そうすると活が入って体と心に『軸』ができる気がします。何か壁にぶつかってピンチを迎えたときや、足が止まりそうになったときほど『神様に手を合わせ約束したのだから』と、もうひと頑張りができ、再度挑戦しようと立ち向かうことができるのです。『勝守』は私の自己規律を強化するアイテムになっていますね」(和田)

ちなみに御守りの定位置は財布の中。お金の出し入れ時にちらりと目に入る、いわばサブリミナル効果で気分一心できるからだという。