行く先が見えない今のご時世に、結果を出している人がいる。彼らはいざというときに力を貸してくれる「自分だけのとっておき」のグッズやスポットを持っていた。
中国の風水に基づく「最高の吉相」とは
SBIホールディングス社長で、中国の道教を起源とする易学や風水などに造詣が深い、北尾吉孝さんの場合は「四神の置物」である。四神とは、四方の方角を司る神のこと(東の「青竜」、南の「朱雀」、西の「白虎」、北の「玄武」)。中国の風水では四神に応じた地勢・地相が「最高の吉相」といわれている。
北尾さんは四神に縁のある京都の神社で祈祷をしてもらい、それを執務室の東西南北の位置に配置した。
「ビジネスマンの成功の条件のひとつは『運が強い』ことです。松下幸之助さんも成功の秘訣について『9割が運だ』と言っておられるほどです。ただし、そうであるならば努力や知恵、根性といったものは意味をなさなくなるのではないかという疑問が出てくるかもしれません。しかし『運命』というのは『命を運ぶ』という意味があるように自らの行動や心がけ次第で変えることができるものです。つまり、努力をすることで与えられた『運命』を自分が望む方向に変えていく『立命』ということが人生の秘訣ともいえるのです。
また、人生にはプラスの裏には必ずマイナスがあるもので、運が強いときもあれば弱いときもあります。そういった意味で、四神の置物のように自身に良い運を引きつけることができるよう環境を整えてくれるアイテムを持つことは、ビジネスマンにとっての成功の秘訣、人生の秘訣ともいえると思いますね」(北尾)
「四神」によってビジネス面で何か効果はあっただろうか。
「四神の置物によって良い運気を維持できている実感はありますが、特に大きな変化はありません。そもそも『人事を尽くして天命を待つ』が信条なので、人事を尽くさずして他力に期待することはないのです。努力の積み重ねが人生を変えていくと信じています」(北尾)
北尾さんの開運グッズ
●4つの方角を司る「四神の置物」
気学では北尾さんの本命星は五黄土星にあたる。これは中心にいる「帝王」という意味があるため、自身を中心に四神の置物を執務室の東西南北の位置に置いているのだという。最高の吉相の執務室でこそ、仕事においても最高のパフォーマンスが得られるのだ。
1951年、兵庫県生まれ。74年、慶應義塾大学経済学部卒業後、野村証券入社。95年ソフトバンク入社、99年から現職。中国古典に精通し、著書に『ビジネスに活かす「論語」』など。