ステーキ用の肉も半減
供給が減っているのは、牛タンやハラミだけではありません。
ステーキに使われるサーロインやリブアイロール、テンダーロインのようなロイン系部位の輸入も大きく減っています。
テンダーロイン、サーロイン、リブアイロールを合わせた輸入量は、2020年の8685トンから、2025年には2900トンまで減少しました。5年間で半減以上の落ち込みです(図表3)。
「中国の輸入再開」で日本の調達はより厳しく
牛肉の価格に影響を及ぼす、もうひとつの見逃せない要素が、中国の動きです。
近年、中国は世界の牛肉貿易に大きな影響力を持つようになっています。
2026年5月の米中首脳会談では、米国産牛肉の輸出認可施設の登録更新や追加登録について、両国間の合意が成立しました。中国が米国産牛肉の輸入を本格的に再開すれば、日本の調達環境はさらに厳しくなる可能性があります。
一方、中国は2026年から、輸入牛肉に対するセーフガード措置を導入しています。
ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、豪州、ニュージーランド、米国など主要輸入先ごとに一定の輸入枠を設け、その数量を超えた場合には、当該年の残りの期間に追加関税(55%)を課すという仕組みです。
これを受けて、中国の輸入業者は前倒しで牛肉を買い付けました。その結果、豪州産牛肉は早くも6月に輸入枠を使い切り、追加関税の対象となりました。
米国産牛肉の減少で世界的に牛肉が足りない中、豪州産牛肉の需要が高まっています。そんな中、中国が豪州産牛肉を大量に買い付けているわけです。
豪州は日本にとって最大の牛肉輸入先ではありますが、世界的に需給が引き締まっている中、日本は買い負けしやすい立場になりつつあります。

