11年目でも愛され続ける「異世界転生」
いわゆる異世界転生モノで、主人公が死ぬとリセットされるというギミックは11年目となる本アニメにさらなる深みを与えている。
主人公のクセの強い台詞まわしにイライラしているユーザーも多いかもしれない。だが、MALにあった「物語が進むにつれ、スバルはそれが祝福ではなく呪いだと気づく。すべてをもう一度経験しなければならないこと。同じ苦しみをもう一度味わわなければならないこと。これから何が起こるかを知っているのに誰にも言えないという重圧。完全に孤独である」というコメントが指摘するように、主人公はどこまでいっても大量のバッドエンドに遭遇し、その死に戻りのなかでなんとか解決の糸を探り、最後は「正解」にたどり着く。
リゼロは、ストーリーテリングとして必ずカタルシスに導いてくれる安心感もあり、実は物凄い設定だったのかも、といまさらになって気づく。
8.25(1期)→8.33(2期)→8.42(3期)→9.19(4期)と、実は評価Scoreがずっと上がりつづけている稀有なアニメシリーズでもある。
アルファポリスが買収したアニメ制作会社White Foxの出世作であり、また同時にKADOKAWAにとっては2012年のラノベ連載からずっとあたためつづけた作品で毎年20~30億円といった利益をもたらす「虎の子」でもある。
この秀逸なラノベ作品は、「美しくもダークでグロテスク」「心理的拷問」などユーザーにストレスを与え続けるものでもあるが、それは同時に「スバルはこのシーズンで相当苦労するだろうけど、彼が苦しむ時こそが最高潮だよね?」というように、その“水戸黄門化”したパターン自体がドラマティックとカタルシスを自動生成しつづける本作の真骨頂といえるだろう。
全13話を使って「人を好きになる」を描く
内向性やその繊細な心理的成長の物語、というのはもはや日本アニメのお家芸になりつつある。
Member数12位の『氷の城壁』は、過去のトラウマから心を閉ざし、周囲に壁を作って生きる高校生・氷川小雪が主人公。その誤解されやすいクールフェイスで低身長・陰キャ女子が、一般的な世界と隔絶するために自分で作り上げた「壁」を溶かしていく物語だ。
ストーリーはほぼ本人の独白で進む。MALでは、作品の丁寧な描き方が評価されている。「ストーリーは誇張されすぎず、ゆったりとした魅力的なリズムで展開し、キャラクターはそれぞれの役割をしっかりと果たし、視聴者は物語に引き込まれます」
全13話を使って「人を好きになる」というだけの話をここまで丁寧に描ける作品はそう多くないだろう。
この作品は“作家ブランド”が大いに影響している。
作者の阿賀沢紅茶氏は、前クールに8位と好評だった『正反対な君と僕』(2022~24年にジャンプ+で連載)も手掛けている。氷の城壁は2020~22年にLINEマンガ等で連載してきたウェブトゥーン漫画作品であり、『正反対な君と僕』で人気を博した彼女の恋愛ストーリーでファンになった海外ユーザーが、氷の城壁も継続視聴した格好だ。
あるMALユーザーは「2026年は漫画家・阿賀沢紅茶の年と言えるでしょう」と書き込んでいた。
