絵を描くことは魔法のよう
本作は、作者の白浜鴎が友人との「絵を描く過程は知らない人から見たら魔法のようだ」という会話をきっかけに始まったという。
派手な魔法使いバトルものとは一線を画しており、まるで学者・科学者・司書のように“仕事の丁寧さ”が求められる奥深い魔法界の物語だ。絵柄は『約束のネバーランド』のような絵本ファンタジー的で、ユニセックスに広い読者を受け入れる。
本作の一番の魅力は、その世界観の深みである。魔法は専用インク(銀のインク)で描かれた魔法陣によって発動し、「正しい手順で正確に円を囲むこと」で魔法が完成される。精度が要求される魔法陣は、本当に画家仕事のように美しさを保っていなければ魔法の効力もまた歪んだものになる。そして実際にその魔法陣の美しいこと、美しいこと。
アニメ化後の商品化まで射程をいれたかのように設計される本作内の魔法陣デザインは今後コレクションアイテムとして一世を風靡することは間違いないだろう。
課題は主人公含めた「キャラクターが一面的・ステレオタイプ」だったり「ストーリーが平凡」という点だろう。
テンポも遅めで、MALでは「全13話は前菜(にすぎない)」というストーリー展開のスピードへの不満の声もあった。その世界観の奥深さ、これからまだまだ謎が明かされそうという期待感も含めて、2期ではさらに大きな爆発をみせることだろう。
今シーズン最も評価が高かったアニメ
2~4位はラノベ発の大ヒット定番アニメが並ぶ。『Re:ゼロから始める異世界生活』4th season(リゼロ)、『ようこそ実力至上主義の教室へ』 4th Season 2年生編1学期(よう実)、『転生したらスライムだった件』(転スラ)はいずれも4期に入り、評価も8.0台につけている。
リゼロが2016年~、よう実が2017年~、転スラが2018年~とすでに10年目クラスの3作品がよくもこれほど一気に勢ぞろいしたと思えるシーズンだった。
特にリゼロは、今シーズン73作品のなかで評価Score9.2とダントツトップだった。
リゼロは、特別な能力も武力もない主人公スバルが、自らの「死」によって時間を巻き戻す『死に戻り』というスキルをもって、大切な人たちを救うため、絶望のループに立ち向かう物語だ。
MALのコメントには「リゼロは間違いなく、最もこの世代において類を見ない傑作物語と言えるでしょう。登場人物たちの人間性を巧みに描き出しつつ、感情を揺さぶる描写力に優れ、キャラクターの背景設定も他に類を見ないほど緻密に練り上げています。一人の人間の想像力から生まれたとは思えないほど、世界観の構築と豊かな歴史描写は驚くべきものです。」といった絶賛が並ぶ。


