絵を描くことは魔法のよう

本作は、作者の白浜鴎が友人との「絵を描く過程は知らない人から見たら魔法のようだ」という会話をきっかけに始まったという。

派手な魔法使いバトルものとは一線を画しており、まるで学者・科学者・司書のように“仕事の丁寧さ”が求められる奥深い魔法界の物語だ。絵柄は『約束のネバーランド』のような絵本ファンタジー的で、ユニセックスに広い読者を受け入れる。

本作の一番の魅力は、その世界観の深みである。魔法は専用インク(銀のインク)で描かれた魔法陣によって発動し、「正しい手順で正確に円を囲むこと」で魔法が完成される。精度が要求される魔法陣は、本当に画家仕事のように美しさを保っていなければ魔法の効力もまた歪んだものになる。そして実際にその魔法陣の美しいこと、美しいこと。