既定路線ありきではなく、十分な検討を

ただし、乗り入れにはもう一つ条件がある。東海道新幹線は加速の良いN700系列の車両で性能を統一してダイヤに無駄のない状況にしているため、東海道スペックの北陸新幹線車両が必要になる。

また、中京方面についても米原でスイッチバックによる直通運転は可能と考えられる。早朝の北陸行き・深夜の名古屋行きに限定する形にはなるだろうが、名古屋―金沢間を1時間10分にすることができるだろう。名古屋駅の東京側に引上線を設ければ、終日の運行も可能になる。リニアと組み合わせれば、品川―福井は1時間40分台になる。福井県にとっても見過ごせないメリットではないだろうか。

【図表】「米原ルート」採用時の東海道乗り入れ・米原折り返し列車接続ダイヤイメージ(一部列車名仮称)
筆者作成

以上のシナリオで運賃・料金・所要時間の想定のもとに検討すれば、米原ルートは料金抵抗が抑えられる分、B/Cはもっと上がるはずである。

北陸新幹線延伸、どのルート案で進めても「いばらの道」となりそうだが、現実的なのは「まいばらの道」ではないだろうか。なぜこれまで示したような十分な検討がされないのか。

国交省鉄道局の担当者は「基本的にどんな案で試算するかは与党PTの議論の中で決まり、最大限公平に比較できるように国交省とJRTT(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)で仮定条件を作って試算をしました。ただし東海道直通本数や料金の試算など、細かい条件は国会の先生方にもまだ出していないので回答しづらい」とのことであった。

また、日本維新の会共同代表の前原誠司氏と、同じく日本維新の会所属の米原ルート推進で当選した新実彰平・衆議院議員は「現時点では協議体での状況が微妙なため回答できない」としている。

政府・与党は小浜ルートを既定路線として押し切るのではなく、米原ルートについて運賃制度、線路容量、事業スキームを含めた再試算を公開の場で行うべきではないだろうか。

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