ネックはインターンシップにあり?

インターンシップは2016年卒の学生から本格的にスタートし、今では大学3年のサマーインターンに始まり、秋、冬にも実施され、就活生にとっては必須の行事になっている。

2022年には文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省がインターンシップに関する就活ルールを改定。2025年卒からインターンシップに参加した学生の情報を採用選考に使用することが可能にするなど政府がお墨付きを与えた。

その結果、インターンシップを受けた学生を優先的に採用する「インターン枠」を設けている企業も多い。にもかかわらずミスマッチによる離職が後を絶たない。

エン・ジャパンの「早期離職実態調査2025」(2025年5月9日)によると、早期離職があった企業にその要因を聞いている。

最も多かったのは「仕事内容のミスマッチ」の57%、続いて「人間関係の問題」(35%)、「職場の文化や価値観が合わない」(30%)の順となっている。

本来であればこうした問題はインターンシップで相当程度解消されるはずであるが、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の平野恵子所長は「今の日本で行われているインターンシップでは効果は限定的」と指摘する。その理由についてこう語る。

「インターンシップ自体が採用プロセスに巻き込まれてしまっている。つまり企業にとっては選考に結びつけるために外面を良く見せるだけのインターンシップになりがちであり、仕事との連続性が低く、研修のようなインターンシップだといくらやってもマッチングできない。学生もインターンシップ中は採用目線で見られると思っており、外向的に振る舞おうとなりがち。積極的に質問したほうがいいよと言われれば、がんばって質問しようとするだろうし、企業に好印象を与えようとすることになる」

指示を受けるビジネスパーソン
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インターンをしない企業の言い分

インターンシップといっても、5日間のうち実際に職場の一員として体験するのは1~2日間、残りの2~3日間は学生同士による集合研修を行うところもある。

平野氏は「とくに文系の学生はいいなと思う会社のインターンシップを1~2社参加しても、自分が思い描くキャリアにフィットするキャリアが見つけられるわけではない。自ずと多くの会社のインターンシップに参加してどこがいいのかを決めることになるが、長期間参加することは学業との両立において無理であり、マッチングする会社に巡り会うのは難しい」と語る。

一方、企業側にとっても職場の一員として就業体験させることの難しさもある。新入社員をはじめ社員研修を手がけるALL DIFFERENT事業開発推進本部シニアマネジャー・開発室室長CLM(最高育成責任者)の根本博之氏はこう語る。

「当社はインターシップを実施していない。やりたいと思ったことはあるが、どうしても出せる情報と顧客の情報など出せない情報が出てきてしまう。本来、インターンシップを通じて入社後の早期の活躍を期待するのであれば多くの社内情報を出すべきであるが、それが出せないとなると、研修的な感じのインターンシップになってしまう。インターンシップで本質的な仕事に振れられるかといえば、実態としては研修的なインターンシップになっている会社が多いのではないか」

そうなると企業と学生のマッチング度を高めるインターンシップは難しくならざるをえない。もちろん就業体験を重視している企業もある。

根本氏も「企業の中にはインターンシップがうまくいき、新卒採用が非常に前に進んだ、あるいは入社する新卒社員の質が変わったという声も聞いている」と語る。