CDショップに通うのが、給料日の楽しみだった若い頃。私が聴くのは、もっぱらアメリカのR&Bで、日本語の棚は素通りでした。ある時、店内に流れた一曲に足が止まる。これR&Bなのに日本語だ――。手に取ってみると、ジャケットには「Ryosuke Imai」のクレジットが。それ以降、いちファンとして彼の作る音楽を追い続けてきました。

実際にお会いしたのは、それから20年以上経ってからのこと。ダチョウ肉の普及イベントに今井さんが招かれていて、名刺を交換。最初は同姓の方だと思っていました。「音楽を作っていて」と言われた瞬間に、「あの今井さんだ!」と大興奮。以来、定期的にお会いするようになりました。

吉野家名誉会長 河村泰貴×音楽プロデューサー 今井了介
東京都港区の「Studio Vision」にて。

東日本大震災を機に、今井さんは食の支援事業「ごちめし」を始められました。被災地で自らの無力さを痛感したことが、きっかけだったといいます。「音楽は1年聴かなくても人は死なないが、食べないと生きられない」。これだけの実績のある音楽家が、自らの仕事の限界を率直に語る。その謙虚さに胸を打たれました。

(構成=加藤圭悟(本誌編集部) 撮影=小田駿一)
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