法律も対応に苦慮
臧は、「警察署に行ったが、警察官は、私が成人であるため何もできないと言った」とカナダ当局が助けにならなかったと語った。
アメリカでは2026年4月、AI生成のわいせつ物を作成したことによる初の有罪判決が、2025年のAIポルノ拡散を防止する法律「テイク・イット・ダウン法」成立後、オハイオ州で下された。
有害なディープフェイク画像を訴追するためのこの法律は、メラニア・トランプ大統領夫人が推進した。
イタリアでは、ジョルジャ・メローニ首相も同様の被害を受けており、メローニはそれをネットリンチと呼んだ。なお、イタリアは2025年、AIディープフェイクを規制する法律を制定している。
「AIディープフェイクに対処する最善の方法は法律だと思う……しかし、中国にやめさせること、自分たちがやっていると認めさせることは、非常に、非常に難しい」
嫌がらせは効果を持つと蔵は言う。「このように女性を攻撃するのは古典的な手法だ。中国人女性の反体制派が少ない理由の1つとなっている」
女性嫌悪と支配
蘇も、性的コンプロマートが効果を持ち得ることに同意している。
彼女は最近、2017年に中国の刑務所内の病院で死亡した民主活動家、劉暁波の映像をベルリンの中国大使館に投影する行動に参加した。
蘇が初めて「政治的に性的な烙印を押された」のは2011年のことだった。何者かが、蘇が中国の芸術家、艾未未と不倫関係にあったという噂をネット上に広めた。手法はより洗練されていたが、評判を傷つけるという目的は同じだった。
「『ふしだらな女』と見なされれば、社会的に信用されない人間になる。中国での評判が破壊される。中国共産党は、中国文化の最も醜い側面である女性嫌悪と支配を利用している。恥と性を使って沈黙を強いるのだ」
蘇はまた、オンライン上の嫌がらせがもたらす現実の被害にも対処している。蘇のベルリンの住所は悪意ある人物によって拡散された。見知らぬ男たちが彼女の家の呼び鈴を鳴らし「アジア人の売春婦」を探しにくると、本誌に語っている。
蘇は、中国の警察は現在、中国国内の3省市にまたがる蘇の家族や友人約20人に嫌がらせをしているとも述べた。
物語の主導権を取り戻せ
標的にされた人すべてが、画像を公表して攻撃者を名指しで非難する道を選ぶわけではない。
ロンドンに亡命している民主活動家カルメン・ラウは取材で、その戦術についてはまだ判断がつかないと語った。
ラウは2025年末、自分の性的な偽画像を含む手紙が、およそ12軒の近隣住民に配布されるという嫌がらせを受けた。
嫌がらせは、中国が反対していた香港の選挙の時期でもある2019年に始まっていた。当時、ラウは若く目立つ民主派活動家だったが、彼女の裸とされる偽動画が香港で出回り始めたのだ。
ラウはその後、香港を離れたが、2024年12月には香港警察が彼女に懸賞金をかけた。
ラウは本誌に対し、「外から見れば、活動家としての私のイメージはかなり強いものであり、こうした出来事に打ちのめされるべきではないのだと思う。しかし一方で、女性としては、さまざまな面から影響を受ける。だから、私はまだ感情をどう扱うべきか苦しんでいる」と語っている。
ハースも性的コンプロマートと戦う難しさを理解している。
「自分の中でリスクを小さく見積もることを、絶えず続けるようなものだ。明らかに影響はある。これは、被害者を疑心暗鬼にさせ、安全ではないと感じさせるように仕組まれており、実際にそうなる。私は人間として変わってしまった。ましな日もあれば、あまりよくない日もある」
中国に家族を持たない非中国人女性として、ハースは、自分にとって公にすることは比較的容易だったと述べた。
「他の被害者と比べれば、私は明らかに恵まれた立場にいる。そして、自分にはこのことについて率直に語る余地があり、責任もあると感じている」


