「45~49歳」以上では+2%前後にとどまる

厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、5歳ごとに分類した年齢階級別の所定内給与(いわゆる基本給)の伸びをみると、2025年は「40~44歳」以下の年齢層で+4%前後の高水準となっている一方、「45~49歳」以上では+2%前後の伸びにとどまっている(図表2)。

そもそも賃金上昇率は若手世代のほうが高めになる傾向があるものの、2015年時点の各年齢階級の賃上げ率と比較した上昇幅で見ても、「40~44歳」以下の年齢層の賃上げ率が大きく上昇していることが分かる。

【図表】年齢階層別の賃金上昇率(所定内給与)
出所=厚生労働省

このように賃上げの恩恵が44歳以下の世代に集中している背景には、人口動態の影響により、人手不足が若年層ほど深刻であることがある。

日本では少子高齢化が年々深刻化し、日本人人口は2010年をピークに減少に転じているが、出生数は一定のペースで減少しているわけではなく、世代ごとに波がある。年代別の日本人の人口動態を見ると、いわゆる団塊ジュニア世代と呼ばれる1970年代前半生まれに山があることが分かる(図表3)。

この世代が足元で50代に差し掛かっていることから、日本人全体の人口減少が進む中でも、50歳前後の人口はここ20年でほとんど減っていない一方で、20代~30代の人口は大きく減少している。

【図表】年代別の日本人の人口動態
出所=厚生労働省

50代以上は「過剰」とする企業が多数派

企業側の人手不足感からも、こうした状況が見て取れる。パーソル総合研究所が2025年に実施した、年齢階層別の正社員の人手不足状況を企業に尋ねたアンケート調査では、30代までの正社員は「不足している」との回答が大多数を占めている一方、50代以上については「過剰である」との回答が「不足している」との回答を上回った。

こうしたことを踏まえると、賃金カーブがフラット化している(世代間の賃金格差が縮小している)ことは、日本社会がより平等になっていることを意味しているとは言い難い。一見すると平等になっているようで、むしろ特定の世代が犠牲となっている結果であると言えよう。