新築も中古も都市部の住宅価格が上昇

上がるのは住宅ローンの金利だけではありません。ここ数年、都心を中心とした住宅価格は急上昇しています。東京23区内では、中古マンションでもファミリー向けなら1億円を切る物件を探すのが難しくなりつつあります。

さらには、イラン情勢で石油化学製品の供給不安も起こっており、それに関連して価格も上昇しつつあります。住宅の資材価格も上昇しており、一般的な戸建てで、今後資材費だけで数百万円上昇するとの指摘もあります。資材費の上昇は、都心に限らず地方でも同じです。一馬力の会社員が大黒柱の世帯では、もはや家を買うのが困難になりつつあるのです。

住宅ローンの長期化が進む

そうした中、20代や30代前半などの比較的若い人たちは住宅ローンをこれまでより長期で設定する動きが活発化しています。「家賃の支払いはもったいない」「価格がもっと上がるかも」といった心理も働き、今のうちに買わなければという気持ちが強まります。

ただ、若い層は収入も高くない場合が多く、月々の支払いが抑えられる長期ローンに頼りがちです。実際、35年超の住宅ローンを組む割合は25.5%で、増加傾向にあります。完済時は70~80代以上になる50年ローンを組むケースも増えています。

住宅ローン期間が長ければ長いほど、図表2にあるように月々の返済は抑えられますが、全体での金利負担は重くなり、トータルでの返済額は増えます。

さらには、ここまで話してきたように、このところ金利が短期・長期ともに上昇しており、さらに上昇することが予想されます。

返済期間30年と50年、利子は約8000万円増

図表2は元金7000万円を30年、または50年の期間で借りた場合の返済額です。それぞれ金利2%、3%、4%で試算しています。月々の返済額とトータルでの返済額を元利均等返済で計算しています。

【図表2】元金7000万円(元利均等払い)

表を見てわかる通り、月々の返済額は30年より50年ローンのほうが少ないですが、トータルの返済額は50年のほうが断然多くなります。

現状の長期固定のローン金利は一般的に3%程度です。その場合、月々の返済額は30年ローンなら29万6000円で、トータルの支払額は約1億642万円。金融機関に払う利子は3000万円超で済みますが、同じ金利3%・返済期間50年になると、月々の返済額は25万2000円と減るものの、総返済額は約1億5120万円と、30年返済に比べ約4400万円強も増える計算。払う利子は約8000万円に膨れ上がります。

不動産価格の高騰などで返済期間を延ばす人が増えていると述べましたが、延ばせば延ばすほど、こんなにも利子が増えてしまうわけです。