「実質賃金」がまたマイナスに陥る懸念

日本では、ガソリンや電気・ガスの補助金が出ているので今のところ物価上昇は抑えられていますが、補助金のない米国では1、2月にそれぞれ2.4%だった消費者物価の上昇率は3月に3.3%、4月には3.8%に跳ね上がりました。欧州でも物価が上昇しています。日本でも、エネルギー関連に補助金が出ていても、その他の商品・サービスも上がりやすい状況で、物価上昇が始まるでしょう。

そうすれば、やっとプラスになった「実質賃金」がまたマイナスに陥る懸念があります。「実質賃金」は、額面の賃金(名目賃金)からインフレ率を引いたものです。春に賃上げのあった会社も多いと思いますが、昨年並みのところも多く、3%以上の物価上昇となれば、実質賃金は再度マイナスに沈む懸念があります。

さらには、円安に対抗しなければなりません。円安は輸入物価の上昇を通じて日本経済に悪影響を与えます。政府は介入により160円を少し下回るラインを必死で守っていますが、金利を上げない限り根本的な対策にはなりません。欧米もインフレ懸念から金利上昇のリスクがあり、そうなれば日米などの金利差は縮まらないので円安が続きます。