40年で消費量が倍増
言うまでもなく、日本の人口は減少傾向にある。野菜の総需要量も総じて減少に向かうことは避けられない。実際、多くの野菜の作付面積・生産量は縮小している。
しかし、その中で逆行するように数字を伸ばしているのがブロッコリーだ。
野菜生産出荷統計(農林水産省)によると総出荷数量は、1990年時点で7万7000トンだったものが、2024年には14万6000トンと倍近く増加した。また、家計調査(総務省)の1世帯当たりの年間購入数量(2人以上の世帯)においても、ブロッコリーの調査が始まった1990年が1910gに対し、2024年には4539gへと倍以上に増加している。
まさに「国民的野菜」へと上り詰めたブロッコリーだが、かつて、ブロッコリーよりも「カリフラワー」が国内では多く食べられていた事実をご存じだろうか。
同じ地中海生まれの「兄弟」
ブロッコリーとカリフラワーは、そっくりな見た目からわかるように植物学的には全く同じルーツを持っている。
地中海東部の沿岸や温暖地を原産とする野生種の「ケール」を祖先とするアブラナ科の野菜だ。ケールがヨーロッパへ普及していく過程で、葉が結球したものがキャベツ、根が発達したものがコールラビ、そして「花の部分(花蕾)を食べる」形に分化したのがブロッコリーである。さらにそのブロッコリーの蕾が突然変異によって白化したものがカリフラワーだ。国連食糧農業機関(FAOSTAT)などの国際的な統計でも、「Cauliflowers and broccoli」としてセットで集計されるほど、両者は密接な関係を持っているのだ。
ブロッコリーやカリフラワーが日本に導入されたのは明治初期と言われているが、当時は日本国内で種を採ること(採種)が困難であり、日本人の食生活にも馴染まなかったため、すぐには普及しなかった。その後、一般に普及したのは第2次世界大戦後のことである。

