「お菓子だけを売る」をやめた
さて、2000年代に入り、ありあけが「変えたもの」がもう一つある。それは、「モノ売り」から「コト・トキ売り」へとシフトしたことだ。
2009年以降、「ハーバー」は横浜市の観光政策と連動し、数々のコラボ商品を開発してきた。横浜開港150周年記念イベント「開国・開港Y150」や、横浜みなとみらいエリアで開催されていた「ピカチュウ大量発生チュウ!」イベント、毎年開催される「横浜マラソン」など、都度オリジナルパッケージの商品を企画・販売している。
さらに、2013年からは「横浜DeNAベイスターズ」とのコラボレーションを開始。26年ぶりにチームが日本一に輝いた際は、優勝の6日後に号外新聞を彷彿とさせる限定商品を発売している。熱気冷めやらぬベイスターズファンにとって、これは大いに喜ばれたサプライズだっただろう。
「正直、こうしたスピード対応を行うのは、従業員も大変です。チームの優勝に備えて、専用折衝をしなきゃいけませんからね。でも、目的を明確にしておくと、喜んで取り組んでくれるんです。取引先の方も、『それだったらやりましょう! うちもなんとか徹夜でやります(笑)』と言ってくださいます」
モノではなく、コト・トキを売る
2019年、山下ふ頭に「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA(ガンダムファクトリーヨコハマ)」が期間限定営業することが決まると、ガンダムの大ファンだった藤木さんは、自ら提案書を作成した。
「分厚い資料を持って行ってプレゼンしたら、途中で担当者の方に遮られたんです。『もう説明はいいです。詳しいレギュレーションを説明しますので(笑)』って」
コラボレーションしたガンダム「ハーバー」は、店舗・会場・ECサイトの合計で、約3億個が売れたそうだ。
「コラボ商品は、企画から1カ月ほどで売り場に並ぶこともあります。社内からは『急な変更が多い』『現場が混乱する』って意見をもらうこともあるんですけど……計画通りにお菓子を作るだけなら、大手と変わりません。
うちがやらなきゃいけないのは、『モノ売り』じゃなくて『コト・トキ売り』です。横浜ではいろんなコトが起こるし、イベントもたくさんあります。『ハーバー』で何ができるのかを考えて、お客様に『なんかいいな』っていう風に思っていただくことが、ものすごく大事だと思うんです」


