A抗原もB抗原も「構成成分」として持つAB型

一方で、B型やO型の人の血液中には、A抗原に対する抗A抗体が豊富に存在しています。つまり、A抗原の特徴を表面にもったウイルスが侵入してきた場合、これらの抗A抗体が即座に反応し、ウイルスを中和したり凝集させたりして、感染の成立を阻止しやすくなると推測できます。

血液型でわかる 病気とケガのリスク
深瀬浩一『血液型でわかる 病気とケガのリスク』(宝島社)

同様の理論は、B型の人に感染したウイルスがB抗原の特徴をもつ場合にも適用できます。今度はB型の人の感染リスクが相対的に高まり、抗B抗体をもつA型とO型の人は、B抗原を表面にもつウイルスに対してより強い抵抗力を示すと考えられます。

なお、AB型の人は、A抗原もB抗原も「自己の構成成分」としてもっているため、いずれの抗原を表面にもつウイルスに対しても、免疫学的な「寛容」を示してしまう可能性があります。

つまり、AB型の人は理論的にはどちらのタイプのウイルスに対しても、リスクが高い状態にあると考えられます。

反対に、O型の人はA抗原もB抗原ももたず、抗A抗体と抗B抗体の両方を保有しています。これは、表面にA抗原・B抗原をもつ、いずれのウイルスに対しても、効果的な免疫防御を展開できることを意味します。まさに「二重のガード」のような状態といえるでしょう。

そして、新型コロナウイルス感染症について、世界各国で行われた大規模調査から、こんな事実が明らかになっています。

「血液型がO型の人は、新型コロナウイルスに感染しにくく、重症化もしにくい」「血液型がA型の人は、新型コロナウイルスに感染しやすく、重症化もしやすい」

ここで説明した理論モデルは、この調査結果と一致していますね。つまり、血液型と病気の関係については、免疫上において説明がつくといえるのです。

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