うつ病になりやすい人にはどのような特徴があるのか。精神科医の和田秀樹さんは「うつ病になりやすい人に多い思考パターンとして、『不適応思考』がある。その一つである『完璧主義』が作動すると、完璧にやれない自分に落伍者のレッテルを貼ったり、もう立ち直れないと落ち込んだりする」という――。
※本稿は、和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
うつ病の原因にもなる「不適応思考」とは何か
「不適応思考」という考え方があります。もともとは、「認知療法」といって、うつ病の治療を行うカウンセリングの手法から出てきたものです。
ペンシルベニア大学のグループが、うつ病の患者にカウンセリング的な治療を行う際に、認知療法という方法を生み出しました。そのリーダー格のアーロン・ベックやアーサー・フリーマンは、うつ病になりやすい人に多い思考パターンがあることを発見しました。それが、不適応思考です。
不適応思考の代表的なものに、「二分割思考」、「完璧主義」、「過度の一般化」、「こうあるべき思考」(精神医学的には「かくあるべし思考」)、「自己関連付け」があります。
正確にはうつ病の患者のみならず、広く一般の人に見られる思考パターンなのですが、うつ病の患者には、それが多く見られます。
今では、不適応思考はうつ病にとどまらず、パーソナリティ障害、拒食症・過食症などの摂食障害の人にも多く見られる思考パターンであることがわかっています。
例えば、妻が自分以外の男性と話しているのを見ると、「浮気をしようとしているのか?」と猜疑心にかられてしまい、ストレスの多い人生を送っている人がいるとします。
一般的には、こう考えるような人は生まれつきの「性格」であり、変えようがないものだと考えられがちです。

