グレーゾーンに耐える

「子どもを褒めて育てるか、叱って育てるか」も同様です。「ほめて成績が上がる子が7割、叱って成績が上がる子が3割」というデータがあると、じゃあ褒めるのが正解だ、と決めつけがちです。ところが子どもには個人差があり、叱って成績が上がる3割に、自分の子どもが入っているのかもしれないのです。

和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)
和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)

「子どもは叱るよりも褒めるほうがいい」と、白黒はっきりつけるほうが、人間、ラクに生きられるのはたしかです。いつもほかの可能性を考えながら生きるのは、めんどうくさいでしょう。

でも、それをしないことで、安易な答えにとびついて失敗したり、人に騙されたり、ストレスをためたりします。

ビジネスの現場でも、二分割思考は困りものです。

互いに信頼関係を築き、味方だと思い込んでいた相手に、何か一点気に入らないところがあると、それだけで「あそこはダメだ」「あんな会社とは組めない」となってしまう。その点以外は素晴らしい会社であるにもかかわらず、その一点で全否定してしまうのです。

あるいは、妻や夫が一度浮気をすると、それだけで相手を敵だと思ってしまう人が少なくありません。一度でも自分を裏切ると、それまでの愛情が憎しみに変わってしまうのです。お互い完全に愛情が冷めきったとは思えないのに、100%味方か、100%の敵しか、ありえないかのようです。

二分割思考とは、見方を変えれば「即断即決」のようでもあり、優れた考え方のようにも思えるかもしれません。しかし、即断即決と「ちゃんと考えずに白黒つける」は違います。グレーゾーンに耐えることができないと、結論を急ぎ、誤った判断を下す恐れがあります。

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