「イクメン」を目指す新婚男性だったが…

「育てる男が、家族を変える。社会が動く。」――をキャッチフレーズに、厚生労働省が父親の育児参加を促す広報事業「イクメンプロジェクト(*1)」を発足させた2010年。

ある自治体が主催した幼児のいる男性を対象にした「父親講座」で出会ったのが、中小のSIer(エスアイヤー。システム開発を請け負うIT企業)でシステムエンジニア(SE)を務める当時30歳の河本昌平さん(仮名)だった。河本さんは新婚1年目の既婚者だが、まだ父親にはなっておらず、強く参加を希望して特別に許可されたのだという。父親になることへの関心の高さがうかがえた。

「『イクメン』は流行語みたいになっていますけれど……実際には男性が育児を行うことは、長時間労働とか今の職場環境では難しいですよね。ましてや育休を男性が取得するなんて、非現実的です。で、でも……僕は、職場の『常識』を覆したい。子どもができたら必ず育休も取って、積極的に子育てをしたいと考えているんです」