住職が座右の銘にしている言葉

また親の介護を自宅で毎日していてクタクタになった人が、週のうち3日か4日をデイサービスやショートステイに任せるのは、親子双方が心に余裕を持つために非常に重要です。

名取芳彦『グズを直す本』(三笠書房)
名取芳彦『グズを直す本』(三笠書房)

私は、「最初から60点でいい」と申し上げているわけではありません。最初から60点を目指せば、無理もしません。

私の座右の銘の一つに「無理はしてみろ、無茶するな」があります。少しの無理は私たちの力を伸ばしてくれますが、無茶は自他ともに瓦解を招きます。

しかし、無理と無茶の境は、やってみないとわかりません。壊れてみないと「あそこまでが無理で、それ以上は無茶だった」とはわからないのです。これが、冒頭で申し上げた「精一杯やると自分の限界がわかる」という言葉の意味です。

前代未聞のコロナ禍では、不機嫌になる人が増えました。当時、せめて機嫌よく暮らしたいという声も多く聞きましたが、機嫌を直したからといって、上機嫌になれるわけではありません。

私は、毎日機嫌よく暮らしたいとは思いませんでした。不機嫌でさえなければ、それで十分だと思ったのです。上機嫌が100点だとすれば不機嫌は30点でしょうか。その中間(60?80点くらい)でいいのです。

「毎日を楽しく愉快に過ごしたい」は欲張り

若い友人の中に「毎日を楽しく、愉快に過ごしたい」と笑顔で言う人がいました。私は「『毎日楽しく愉快に』は毎日100点を目指しているようなものだから、楽しめなかったり愉快でない日があれば自分はダメだと思ってしまう。『適当に楽しく愉快に過ごせればいい』くらいが、楽に生きていけると思うよ」と伝えました。

すでに精一杯やったことがあるならば、それに関しては60点でもいいではないですか。そろそろ60点の生き方にOKを出し、余裕を持って人生を楽しみましょう。

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