おだやかな人生を過ごすにはどうすればいいか。元結不動密蔵院住職の名取芳彦さんは「100点を目指して頑張りすぎると、心身ともに疲れ果ててしまい、本人だけでなく周りの人にも悪影響が出ることもある。そんな人に対して、アドバイスしていることがある」という――。

※本稿は、名取芳彦『グズを直す本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

5つの木製の星とビジネスマン
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「ま、こんなもんだ」として前にジャンプ

たとえば、お料理。コロナ禍のステイホームで料理に目覚めた男性は、少なくありません。

三色弁当にから揚げ、果てはラーメンのスープ作りまで、なかなか満足いくものができません。それでも、「ま、今回はこんなもんだ」とそれなりに舌鼓を打ちます。

たとえば、仕事。自分に与えられたミッションは精一杯こなしますが、ある程度までやって時間切れになったら、「ま、今回はこんなところか」と自分を納得させることもあります。

たとえば、人生。思い描いていたような人生ではないし、人生の意味もいまだによくわからないけれど、周りに恵まれてここまで来たと、「寄り道、道草、回り道、人生丸ごとそんなもの」とつぶやき、それなりに充実した日々を送る人もいます。

上の3つの例はすべて私のことですが、私のようには思えない人もいるでしょう。自己肯定感の低い人や向上心がある人は、「ま、こんなもんだ」と割り切れません。ただその結果、別のことに取り組む好機を逃している場合もありそうです。

このように「こんなもんだ」と思えないのは、その人のクセのようなものなので、次に進めないことが一度や二度ではありません。小川の向こう側には別の岸があるのに、こちらの岸に未練があって、なかなかジャンプできないのです。

「ま、こんなもんだ」として前にジャンプするには、ジャンプできない原因を探る必要があります。