物事を決断するにはどうすればいいか。元結不動密蔵院の名取芳彦住職は「悩む人は、ゴール手前で振り出しに戻って『でもなぁ』と躊躇することを何度も繰り返す。私は迷ったり、考えすぎたりして前に進めない時は、“二者択一”にまで絞り込むことにしている」という――。
※本稿は、名取芳彦『グズを直す本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
“悩みのメリーゴーラウンド”から抜け出す方法
“悩む”と“考える”は、似ているようで異なる行動です。
どちらも「どうしようか」と思案するのは同じですが、そのプロセスと、決断後の行動には決定的な違いがあります。
“悩む”は、せっかくゴール(それが正解かどうかは別にして)のそばまでたどり着きながら、その直前で「でも」と立ち止まり、「ちょっと待てよ」と後ろを振り返ってしまう状態です。俗に言う「後ろ髪を引かれる」状況と言えるでしょう。
これまでイエス・ノー・チャートのように取捨選択を重ねてきたにもかかわらず、その都度、心の中で完全に決着がついていないのが、簡単に後戻りしてしまう原因かもしれません。
たとえば、遊びや食事にだれかを誘うかどうか。あるいは、転職や旅の計画といった自分の人生に関わる決断。あれを優先すれば、これを諦めざるを得ない――そう悩み、決める寸前まで行ったのに、振り出しに戻って「でもなぁ」と躊躇してしまうのです。
悩む人は、ゴール手前でこれを何度も繰り返します。
仮にゴールにたどり着いたとしても、それはあくまで“仮”。本当にこれで良かったのかと迷い、いつまでも自信が持てないままです。
私はこの状態を、自戒を込めて“お悩みメリーゴーラウンド”と呼んでいます。このアトラクションに乗ると、堂々巡りを繰り返し、なかなか降りられなくなってしまいます。

