異なる立場を「翻訳」してチームへ昇華させるWE営業
――課題設定とともに重要なチーム感の醸成についても、どのような「翻訳」が必要なのか教えていただけますか?
今井:意識したいのは「I(私)営業からWE(私たち)営業へのシフト」ですね。「私はこの商品が御社に必要だと思います」と説得するのではなく、「私たちはこの商品で御社の困りごとを解決できますから、一緒に社内を説得していきましょう」と巻き込む。 顧客の担当者を、社内で自分と共に動いてくれる「社内セールスパーソン」として位置付けるイメージです。
担当者を巻き込むためによく使うのが、提案の点数を探るコミュニケーションです。
率直にお伺いしますが、今の時点で取り組みたい度合いは、100点満点中何点ぐらいでしょうか?
と質問する。「80点」と言われたら、
と聞き、「60点」なら、
と聞く。こうして、現状の提案に不足している部分を一緒に言語化しながら、チームとして前に進めたい意思を示すわけです。
――なるほど。不足点を言語化することで、稟議を通す道筋も見えてきそうですね。
今井:そうですね。担当者の素直な所感を引き出し、寄り添う姿勢を見せることではじめて稟議を進めるハードルになりそうな部署や人と接触する機会も生まれやすくなりますから。
――異なる立場の人たちを巻き込むような会話のスタイルですね。
今井:まずは担当者に
と、自分たちのチームに彼らを引き入れるようなニュアンスで相談する。担当者の上司なら、
と、心理的なハードルを下げながら接触の機会をつくります。他部署であれば、
以前、似たようなツールを導入した際、どんな指摘が入りましたか?
と懸念点を聞き出し、担当者が突っ込まれた際の答えを用意してあげる。これは冒頭で述べた「サプライズをなくす」ことにもつながります。
一般論として、経営層は「投資対効果」、現場は「業務効率化」を、情シスは「リスク回避」を重視する傾向があるなど、部署ごとに「最優先事項」は異なります。それに合わせてロジックを組み立て、担当者が周囲を説得しやすい材料をそろえてあげるのもまた、営業の技術と言えるのではないでしょうか。
「WE営業」を実現するために大切なこと
● 顧客の担当者を「社内セールスパーソン」として位置付ける
● 提案の「点数」を聞き、不足している部分を一緒に言語化する
● 各部署の最優先事項に合わせた「ロジック」を組み立てる

