渋谷は「金太郎飴のような街」になってしまった
ここ最近の東京はというとどこもかしこも大手のデベロッパーが手を加えて、超巨大な複合商業施設をバカスカ量産しまくり、蓋を開ければ“金太郎飴”のようになってしまった感がある。これもひとえにデベロッパー各位が銭儲け主義に走るばかりで、採算性しか見ていないので、資本力のある企業しか参入できず、条件に合致するテナントといえば決まり切ったチェーン店ばかり。だから中身のないモールが続々と誕生してしまい、街の魅力をかえって削ぎ落としてしまっているのではないか。
さて、そんな中で近年めっきり良い評判を聞かなくなってしまった街と言えば、かつて“若者の街”だなんてレッテルが貼られていた山の手副都心の一大繁華街「渋谷」である。
ここ10年と少しの流れを振り返れば、その期間中で最も街自体が“変質”したのは渋谷ではないかと思うくらい、“別物”になってしまった。
変な画一感が出てきてしまっている
特にこの10年以内に開業した大規模複合商業施設を挙げると、渋谷駅に直結する一等地に出来た「渋谷スクランブルスクエア」(2019年開業)、さらにその南側にそびえる「渋谷ストリーム」(2018年開業)、加えて渋谷駅南西側の一帯には「渋谷サクラステージ」(2023年開業)と、一気に駅周辺の一等地が超高層ビルに取り囲まれた空間へと姿を変えてしまった事がわかる。最新式のビルとはいえどれもナントカの一つ覚えみたいなバリッバリのガラス張りの建物で、変な画一感が出てきてしまっている。これには一部から批判の声が出ても不自然でないように思う。ちなみにいずれも東急グループがデベロッパーとして参加している。
そればかりではない。渋谷の中でもとりわけ人々のくつろぎの場として重要なはずの「宮下公園」も一変した。かつてと比べ綺麗になったのは何よりだが、公園の階下をごっそり商業施設で覆い被せてしまい、公園というよりもビルの屋上庭園みたいな空間になってしまっている。せめて芝生の広場でも作って、そこに行けばどこでもレジャーシートを広げて自由に休憩できるようにしてくれたら良かったのに、あまり座れるスペースもない。階段だけで行くのは辛いし、商業施設のエレベーターを使って行き来するのも面倒だ。公園のようで公園ではない。これでは本末転倒である。


