厚木や埼玉のヤンキーがたむろしていた
道玄坂のあたりとかをウロウロしていても、外国人よりも多かったのが、国道246号線を伝って厚木あたりからそのまま出てきたのかなと思うようなヤンキーの車だったり、埼京線に乗って埼玉から流れてきたような、とっぽいヤンキーの集団であった。
そうした集団が10月末頃になると各々にオバケの仮装をしてやってきて、地元商店街のエライさんもマジギレする街頭迷惑ハロウィンパーティーに興じたりもする。またはワールドカップみたいなサッカーの大きな試合が始まるとなぜか渋谷に集まって集団観戦し始めるファンの集団も現れたりしてカオスに。
渋谷のアイデンティティが失われつつある
“渋谷名物”となっていたハロウィンの馬鹿騒ぎは2023年以降実質的に「禁止」の措置が取られ仮装集団の数も減少しているというが、今も無くなってはいない。
2020年のコロナ禍に加え、2022年10月に韓国ソウルで起きた梨泰院雑踏事故のこともあって、世間の目はこうした馬鹿騒ぎに対して数段厳しくなった。
ハロウィンの雑踏を傍から見ると「ああ、確かに渋谷って若者の街なんだなあ」と思ったりもするが、そこに秩序が無くなってしまうと何が起きるかわからない怖さがある。そうした無秩序を許してしまう空気が渋谷の街から“普通の人”を遠ざけてしまっているのかも知れない。
そして冒頭で触れた、渋谷の街を埋め尽くす、金太郎飴的な駅前大型複合商業施設のテナント群に至る。渋谷がもはや何を目指し、何をしに来る街なのか、アイデンティティが失われつつある。東京でしか見られない人間社会を観察しにやってくる場所だ、というのが渋谷に対する評価だったのだが、近年の変容でそれすら怪しくなってしまった、というのが最近の印象である。渋谷の街が持っていたはずの“吸引力”はどこに行ってしまったのだろう。



