顧客のモヤモヤを課題に「翻訳」するファクトファインディング

――課題設定やチーム感の醸成は、営業のコミュニケーション技術の見せ所でもありますよね。

今井:少し考えてみていただきたいのですが、あなたが今相対している顧客は自社の課題を把握できていると思いますか?

市場の移り変わりが早いという時代背景もあり、「自社の課題を完全に把握している」状態は意外と希少です。

だからこそ、顧客が感じている言葉にできないモヤモヤや、現場レベルの問題意識を紡ぎ合わせ、「御社の課題はこれで、こう解決すべきですよね」という道筋を作ってあげることは、営業の大事な仕事だと私は考えています。

こうした課題を言語化するプロセスこそまさに「翻訳」のひとつと言えるのではないでしょうか?

――たしかに、モヤモヤから課題へ「翻訳」していると解釈できます。では、納得感のある課題を設定するために、顧客とどうコミュニケーションをとればいいのでしょうか?

今井:課題設定に必要な情報を“深いレベルで”引き出す、すなわち「ファクトファインディング(表に出ていない事実や背景を探る行為)」を意識すべきです。

――「情報を引き出す」と聞くとヒアリングを想起しますが、ファクトファインディングとヒアリングは違うのでしょうか?

今井:表面上は似ていますが、明確に分ける考え方が昨今定着してきています。ヒアリングは相手の認識や理解の範疇にあることを引き出すプロセスであり、ファクトファインディングは相手がまだ認識できていないような事実を引き出すプロセスです。

ヒアリングとファクトファインディングの違い

ヒアリング=相手の認識や理解の範疇にあることを引き出すプロセス
ファクトファインディング=相手がまだ認識できていないような事実を引き出すプロセス