数年ぶりなのに店主から「昔よく来てたよね」

予備校に通いながら、授業と授業の合間に1時間並ぶ。単語帳を手に、現実逃避のように列に立つ。黙って食べ、黙って帰る。ただそれだけの一人の客だった。

一時は毎週のように通ったべんてんだったが、その後晴れて大学に入学し、全国チェーンのラーメン店への就職で東京を離れると、次第に足は遠のいた。

しかし、2009年、数年ぶりに店に訪れたとき、これまで一度も話したことのなかった店主に声をかけられる。