「お酒でスイッチオフ」が招く悪循環
④アルコール頼みの“強制オフモード”
「寝る前の一杯がないとリラックスできない」と、寝酒が習慣となっている方もいると思います。たしかに、アルコールは一時的に不安や緊張を和らげ、寝つきを良くするように感じられることもあります。しかし実際には、深い睡眠を減らし、夜間の心拍を上げるなど自律神経には負担となることが示されています(Zambotti et al., 2020)。量が増えるほど眠りは浅くなり、「疲れが取れない→またお酒で無理やりオフにする」という悪循環に陥りやすい点も問題です。
⑤スマホ・夜更かし
スマホのブルーライトは体内時計を後ろにずらします。夜遅くまで画面を見続けると、本来眠りたい時間になっても副交感神経が十分に働きにくくなります(Nose et al., 2017)。入眠が遅れるだけでなく、睡眠の質も低下しやすくなります。翌朝のだるさをコーヒーでごまかし、夜は疲れた頭でまたスマホを眺める――その循環が固定化すると、自律神経のリズムはさらに乱れやすくなります。
これらは単独で起こるのではなく、しばしば組み合わさって表れます。ストレスを酒で紛らわせ、寝不足で疲れて運動できない――その積み重ねが、知らないうちに自律神経のアクセルとブレーキの切り替えを鈍らせているかもしれません。
続いては、その逆、つまり「自律神経にとっていい生活」を具体的に整理します。
自律神経は「鍛える」より「整える」
自律神経は、「鍛える」ものというより、「整える」ものです。
自律神経にとっての「いい生活」の基本はシンプルです。
・起床時刻を一定にする(休日も±1~2時間以内)
・朝の光を浴びて体内時計をリセットする
・平均6.5~7.5時間の睡眠を確保する
・定期的な運動習慣(少し息が弾む程度の有酸素運動を週3~5回、20~30分行うことが理想だが、階段昇降やスクワットなどを小分けにして行うのでも効果あり)
・「寝酒」は基本的に避け、飲む場合は「就寝3時間前まで」を意識
・カフェインは16時以降は控える
・入浴は38〜40℃程度のぬるめの温度で、就寝の1〜2時間前に済ませる
ただし、忙しいビジネスパーソンにとって重要なのは、「日中に乱れた神経をどう戻すか」です。そこで意識してほしいのが呼吸です。

