体重3ケタは警戒ライン

とはいえ、戦略的ちょいデブにも、ここを超えないようにしようという撤退ラインが存在します。その基準は「BMI35」。身長170センチの人なら体重101キロを超えたあたりです。

この身長で100キロの大台を超えてくると、膝や腰への物理的な負担が大きくなり、歩行困難になるリスクが出てきます。心臓への負担も無視できません。

そこまでいかない80キロや90キロ程度であれば、シニアにおいては「やせているリスク」より、「太っているメリット」が上回ることが多いのです。

100キロ(BMI35)を超えなければ誤差の範囲、というくらいのおおらかな気持ちで体重管理を考えてください。

食欲の低下はすべての意欲の低下につながる

私が「無理をしてでも食べなさい」としつこくいうのには、もう一つ理由があります。それは、食欲が意欲そのものだからです。

和田秀樹『65歳からは戦略的ちょいデブ』(青春出版社)
和田秀樹『65歳からは戦略的ちょいデブ』(青春出版社)

人間の脳の中で、意欲や創造性を司る前頭葉は、加齢とともに真っ先に萎縮します。前頭葉が衰えると感情が平坦になり、「あれをしたい」「これが欲しい」という意欲がわかなくなります。

「面倒くさい」が口癖になり、出不精になり、人づき合いもおっくうになる。こうして人は老人になっていくのです。

しかし、おいしいものを食べて「うまい!」と感動したり、「次はあそこの店に行きたい」と計画を立てたりすることは、前頭葉を強く刺激します。

また、肉などの動物性たんぱく質に含まれるコレステロールは、男性ホルモン(テストステロン)の原料になります。テストステロンは、社会的な闘争心や冒険心、性欲の源です。

つまり、肉をガツガツ食べることは、枯れないためのエネルギー補給なのです。

同世代を見渡してみてください。第一線で活躍している経営者や政治家、現役感のあるシニアは、みんな例外なくよく食べ、そして少し太っているはず。彼らは、食欲を失うことが現役引退への入り口であることを知っているのです。

だからあなたも、食欲があるうちは大丈夫。「まだ現役だ」と胸を張って、食べたいものを平らげてください。

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