小売最大手ウォルマートCEOはアルバイト出身
こうした意見を述べると、「経営者に対して高い要求を課してしまうとなり手がいなくなる」「多くの人材が溢れている欧米各国とは違う」という反論が必ず出てきますが、私はそうは思いません。
なぜなら、日本における人材発掘の努力は、諸外国と比較するとほぼゼロに等しいからです。
米国は人材の宝庫と思われていますが、それでもトップにふさわしい人材を探すのは容易なことではありません。
トヨタ自動車のライバルでもあり、世界の自動車市場を牽引する著名企業のひとつである米ゼネラルモーターズ(GM)のバーラCEO(最高経営責任者)は自動車の生産ラインで働く工場作業員出身です。
彼女は高卒でGMに入り、生産ラインで業務に従事していましたが、現場ですぐに抜擢されGMの社内大学に進学。その後、会社の支援を受け外部の経営大学院に通ってMBA(経営学修士)を取得し、その後はあっという間に昇進を重ねてGMのトップに上り詰めました。
日本の自動車メーカーで、何万人もいる現場の作業員にまで目を配り、有能な人材を見つけ、トップに引き上げるといった努力を行っているところはあるでしょうか。ほとんどないと断言してもよいのではないかと思います。
同じく世界の小売最大手ウォルマートのマクミロンCEOもアルバイト出身です。アルバイトから業務を始め、経営大学院でMBAを取得した後、昇進を続けCEOまで上り詰めました。
日本の巨大企業でアルバイト社員まで含めて全員に目をかけ、将来トップになる人材がいないか探し出す努力をしているところはほぼ皆無だと思います。
これだけの努力を重ねて人材獲得をしているからこそ、高い要求をクリアできる有能な経営者を見つけ出すことができるのです。こうした努力もせずに、「要求を引き上げると人材がいなくなる」などと主張しているのは単なる怠慢に過ぎません。


