脳のクセは右脳を鍛えれば解消できる

右脳を効果的に鍛えるにはどうしたらよいでしょうか。

突然ですが、ここでクイズです。次の絵をごらんください。

2人の探検家が洞窟に入っていきました。そこで動物を見つけましたが、その動物とはなんでしょう?

【図表1】答え、わかりますか?
イラストレーション=FUJIKO
(拙著『かんたん脳強化トレーニング! 脳番地パズル』角川新書)より

おわかりになりましたか?

答えはへびです。

実はこのクイズが、右脳から左脳へと働くクイズです。

「洞窟」「動物を見つけた」という言葉から左脳で論理的に考えようとしますが、答えは形を右脳で直感的に全体として捉えることで見えてきます。

たとえば、自分で絵を描いて言葉で説明すれば、右脳から左脳という使われ方になりますが、絵を意図的に言語に変換することに慣れている人は、決して多くありません。

人の表情を見て、「今日は天気がいいね」「今日は肌の色つやがいいね」と、自分が見た生の情報を発信することで右脳が使われます。

意識して右脳を使うことが、とても大事です。

見えないものを手探りする右脳

右脳的な人は、思っていることをはっきり言葉にできません。相手が適切な相槌を打つなど、補足しながら聞いてあげると説明できても、自分で自分の考えをうまく言葉にできないのです。

脳には8つの脳番地がありますが、映像を見て言語にするのは右脳の視覚系脳番地です。真っ暗な洞窟のなかで、状況がどうなっているか勘を働かせるときなど、見えないものを手探りするようなときにも右脳の視覚系脳番地が働きます。

同じように、未来を手探りする思考も右脳が起点になります。見えないもの・存在していないものに対して、アプローチを試みる力は非常に大事です。

元来、日本人はそのような右脳が起点となる能力が高いと思います。日本人は道徳や礼節を重んじますが、それは要するに形にならないものを認識するという伝統文化だからです。

伝統芸能のほとんどが、師匠から弟子への口伝くでんです。口で伝えられるものは、もともとは文字では伝えられない作業や所作などこまかいことであり、ほとんどが行動観察です。

今ではどうかわかりませんが、落語などは師匠が弟子の前で一対一で噺を演じ、教えていたそうです。弟子はそれを見て、真似して覚えていました。録音機器などがない時代は、それこそ脳をフル回転して身につけようとしてきたはずです。

相手の行動を真似る、作法を真似る、儀式を真似るなど、ほとんどが行動観察からきていますから、口伝というのは非言語のプロセスです。

それが体得できたのち、言葉で大事なポイントを教えるのが口伝ですから、伝統的なものにかかわれば右脳が鍛えられるでしょう。