加熱でとろける食感に
皮も美味しい魚なので、昆布締めだけでなく「湯引き」も作ろう。サク(刺身用の切り身)を皮つきのままそぎ切りにして、お湯をかける。氷水で粗熱を取ってから水分をよく拭き取ったら完成。上田さんによれば、酢と醤油にみりんを加えた「甘酢みりん醤油」に浸してネギのみじん切りを振ったり、ポン酢で食べても美味しい。今回は友人夫妻宅で大人5人で食べる。何尾買おうかな。
「2尾は必要だね。1尾は昆布締めと湯引きで食べちゃうだろうから、そのあらともう一尾を使って塩焼きと煮つけを作ればいい」
イラの頭は大きくて固いので縦半分に割って使う。出刃包丁がない場合は鮮魚店に任せよう。
2枚おろしにした半身のうち、骨がついていないほうは塩焼きにする。火が通りやすいように身に切れ目を入れること、そして上田さん流の「二段塩」をして、「表1・裏7・表2の法則」で焼けば、間違いのない塩焼きができる。この2つのコツは、ヘダイを扱った記事で詳述したので参考にしてほしい。
煮崩れしやすい魚は「泡煮」で外側を固める
ダシが出る骨付きの半身とあらは、煮つけにする。イラは煮崩れしやすい魚なので、素早く火を通したい。上田さんが教えてくれるのは「泡煮」という手法だ。
まずはフライパンに魚を入れ、その三分の一の高さまで酒を注ぐ。魚をいったん取り出し、砂糖、醤油、みりんの順に味を見ながら入れていく。
「分量は自分の舌で判断できるようになろう。砂糖で甘みを調整、醤油で塩味を整え、みりんで仕上げる。泡煮は、身が柔らかい魚の外側を、調味して沸かした煮汁で一気に固める煮方なので、身の中心まで味が浸み込むわけではない。なので、甘辛く濃いめの味付けにしよう」
煮汁を入れたフライパンに火をつける前に、斜め切りのゴボウを入れてもいい。煮汁が沸騰したら魚を入れて、アルミホイルで落し蓋をする。
「煮汁の泡が落し蓋をググっと持ち上げて、煮汁が魚の表面を洗っていく。そのときに全体に味が回っていくんだ」
魚の外側が固まったら、落し蓋を取って中火にし、おたまで煮汁を魚にかけて照りを出す。そして、火を止めてからも1分ほどかけ続けるのがポイントだという。
「火を止めてからもしばらく煮汁をかけるのは、そもそも味は冷めるときに身に染み込んでいくからだよ」

