「土木業者」「メーカー」に流れる補助金
第三に、農業補助金の使い方です。他国で増加しているのは、農業を営む者にその規模などに応じて国が直接お金を出す「直接支払い」制度です。
この政策によって他先進諸国では農業後継者が生まれ、高い食料自給率を維持してきました。
しかし日本では補助金の多くが高額な機械設備や圃場整備などに使われ、そのお金は最終的には土木業者や農機具メーカーに流れていきます。一体誰のための補助金なのかわかりません。
零細な経営体が軒並み過剰な機械装備類を所有していて無駄が多いことはよく知られていますが、その背景には、こうした日本独特の補助金のあり方、政治的思惑が垣間見えます。それでも農業はまだましです。
農業と比較して、漁業への支援の度合いは相当に低いものです。生産所得に占める予算の割合は農業の7割程度にとどまり、しかも予算の約4割が公共事業である漁港関連予算、つまり土木事業なのです。
その上、水産物を輸入する際の平均関税は農産品と比較して非常に低く設定されており、国内価格を維持する機能もほとんど果たしていません。
消費者の負担に依存する形とはいえ保護されてきた農業と異なり、漁業はこれまでほとんど保護されないまま国際競争にさらされてきました。このままでは日本の漁業は農業よりも早く衰退します。
農業も漁業も早急に「直接支払い」制度を導入し、十分な規模にまで拡大するのが最も適切な保護政策だと思います。


