絶好調の選手を使わなかったワケ
――マリーンズは2023年シーズンを2位で終え、2年ぶりにCS(クライマックスシリーズ)進出を果たしましたね。
【吉井】みんな頑張ってくれました。データも上手くハマったと思います。メンバーを固定せず対戦相手に応じて野手の打順をコロコロ変えました。投手もそうです。先発とリリーフをやり繰りしながら、なんとか1年間を乗り切ることができました。
――データ重視の野球だったのですね。
【吉井】そうです。1年目はもう8割データに頼っていたかもしれません。ただ、データ重視で打順を組む場合、前試合4安打を放った選手でも翌日のスタメンを外れることがあります。だから、選手たちとのコミュニケーションはしっかり取る必要がありました。
意図を説明しないと選手はモヤモヤして、モチベーションも上がりません。それに打順は、アナリスト、技術コーチなど、皆で話し合って決めるという形を取っていました。だから、選手だけでなく、スタッフとのコミュニケーションも重要でしたね。皆が納得できる形を探りながら、最終的には監督である私が決定しました。
想像以上に大きかった佐々木朗希の存在
――2年目の2024年シーズンは3位でした。これも1年目と同じアプローチを継続されたのですか?
【吉井】基本的には継続しましたが、少し変化をつけました。1年目は結果を求めてデータを活用しましたが、2年目はそこに育成の要素も入れています。若い選手をデータ度外視で積極的に起用しました。
――昨年ブレイクした寺地隆成選手と山本大斗選手は、2024年シーズンの後半から1軍の試合に出場していました。若手選手活躍の背景には、吉井さんの積極的な起用方針があったのですね。一方、2025年は佐々木朗希投手がドジャースに移籍したこともあり、投手陣の整備に苦労されたことかと思います。
【吉井】朗希の穴はなんとかなると思ったんですが、結局ならなかったですね。数字上は朗希の勝利数(10勝)がそのままチームの勝ち星減になってしまいました。
投手陣は種市(篤暉)の成長と外国人選手の補強で穴が埋まると思ったのですが、中堅ベテラン勢の調子が上がらず、そこに入ってくるべき若手も育てられなかった。すべてが悪循環で計算通りに行きませんでしたね。これがリーグ最下位になった最大の要因です。
やはり、投手陣の整備は重要で、試合の半分以上のイニングを投げてくれる先発が安定しないと、なかなか1シーズンを勝ち抜いていくことは難しいです。
