長距離通勤は人生を消耗させる

日本の大都市の特徴として、都市の西側のほうが東側よりも地価が高くなるという傾向がある。東京・大手町からJRや地下鉄で15分、30分、1時間というふうに同心円を描くと、同じ時間・距離でも西側と東側では土地の値段が4倍くらい違うことがわかる。例えば、東京屈指の高級住宅街である大田区田園調布は、都心まで電車で約40分、車でも1時間かかる実に“不便な場所”である。逆に東京の東側、湾岸方面は地下鉄で15分ぐらいの“便利なエリア”でも、倉庫街や船着き場のままであったり、工場やトラック基地に使われている場所だったりする。

こうした「西高東低」の傾向は、今後大規模開発によって十分に変更可能だと私は考える。

例えば、これから東京都内に家を買おうというビジネスマンが、一切のバイアスを取り除いて通勤の利便性だけで物件選びをするとすれば、絶対に“西側”は選ばないだろう。サラリーマンにとって「通勤時間」はとても重要だ。長距離通勤というものが、人生の中でどれだけの時間を浪費し、日々疲労を蓄積させ、人生を消耗させていることか。片道45分、往復90分で40年のサラリーマン人生とすれば、90分×220日×40年=1万3200時間(550日)。