「台湾有事」を巡る高市早苗首相の発言に端を発し、日中間の緊張関係が続いている。今回は、ブランド志向の大きな差を手掛かりに、日中の差が目立つ調査データを見ることで、相互理解の助けとなることを目指してみよう。パリに本社を構える世界的なマーケティング・リサーチ会社であるイプソス(Ipsos)社が2025年9月に公開した最新版の報告書により、ブランド志向の世界動向や各国比較について見てみよう。
イプソス社は世界の新しい潮流のひとつとして「ヌーヴォー・ニヒリズム」を挙げている。これは、現在の政治体制への不満として示された露骨なニヒリズムと、経済的ストレスによって長期的な夢の実現が阻害された結果生じた快楽主義的な「今を生きる」精神からなっている。さらにこれと関連して「個人主義への逃避」というトレンドも指摘している。これは、世界状況を変えられないという意識の下で、人々が自分の生き方を重視し、自分自身だけでコントロールできるものに注目しているという動きである。
「個人主義への逃避」を示す指標として、上図のブランド志向データを掲げている。13年から25年にかけて、いずれの国でもブランド志向が上昇している点が目立っている。世界平均でも39%から52%へと13ポイント増と大幅である。
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(図版出所=Ipsos Global Trends 9th Edition(2025年9月))



