「東横イン」の支配人の97%が女性
さまざまな業界で人手不足が問題となっている。女性活躍推進の機運は今まで以上に高まりつつあるが、実際の企業において女性の管理職起用は道半ばだ。
「令和6年度雇用均等基本調査」によると、管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合はわずか13.1%。政府が2020年代のできるだけ早期に実現するとした「女性管理職比率30%」には遠く及ばない。
そんな中、ビジネスホテル最大手の東横インでは、全国約360店舗の支配人の、実に97%を女性が占める。特筆すべきは、支配人の75%がホテル業界未経験の人や専業主婦などからの中途採用者であり、定着率も高いという点だ。
一般的にホテル業界では離職率が高く、同社でもかつては従業員の離職率の高さに悩んでいたが「就任1年以内の支配人の離職率は改善し、4年連続で0人という年もある」(同社広報)という。
結婚・出産等でいったん退職した人、一度も社会人経験がない人を管理職として雇用する企業はまだ少ない。なぜ東横インでは、そうした女性たちが経営のプロとして開花し、定着しているのか。黒田麻衣子社長に聞いた。
通常、ホテルの支配人といえば、フロント業務や宿泊管理のスペシャリストが就くポストだ。しかし、東横インが求める人材に、ホテル経験は必須ではない。黒田社長が面接で必ず聞くことがある。
「リーダー経験があるかどうか。これだけはこだわって聞いています。会社の管理職である必要はありません。PTAの役員でも、部活のキャプテンでも、サークルのリーダーでもいい。何か一つのチームをまとめた経験があり、成功体験だけでなく『失敗したこと』を素直に語れる人を求めています。失敗を語れるということは、乗り越えられた、ということですから」(黒田社長、以下同)