NHK大河では描きづらい戦国武将の結婚事情
戦国大名にとっては、まず家臣団を結束させ、さらには、かつての敵国を含む周辺諸国と同盟を組んだり、関係を強化させたりする必要があった。こうした関係の構築こそ戦国大名の生命線であり、そのために活用すべきものが結婚だった。
だから、大名みずから実子や養子を周辺諸国に送り出し、縁戚関係を結んで国境に対する脅威を軽減した。同時に足元の家臣団においても、結婚という手段を通じて結束を強めさせた。藤吉郎と寧々の結婚も、その一環であったことはいうまでもない。もちろん、結婚相手を押しつけられ、だれかに対する恋情を必死に断ったという例は、いくらでもあっただろう。しかし、当時は恋情を優先するという発想は皆無であったから、どんなに苦しかろうと、原則として家の決定に従うものだった。
だからといって、「豊臣兄弟!」のような歴史ドラマでも、恋愛の描写を廃除してしまったら無味乾燥な展開になってしまう。藤吉郎も小一郎も「想い人」への思いを貫くという描き方になるのは仕方ないと思う。だが、生き馬の目を抜く戦国時代において恋愛という発想は生ぬるく、そんな思いを優先していたら到底生き抜けなかった、ということは頭に入れておいてもいい。
ただ、藤吉郎でも寧々でも相手に思いを寄せていたところが、その意中の相手を宛がわれたという幸福な偶然は、当時もきっとあったとは思われるが。
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