技巧は見られるも小ぶりな沓掛城
現地を訪ねてみれば実感できるが、沓掛城は意外なほど小さく、周囲との高低差もそれほどではない微高地だ。ただしこれは、現在残る本丸とその周辺のみ。案内板にある古地図では現況の倍ほどの城域を有していたようだ。東西290m、南北約234mあったという。
本丸の東側に残る堀は、幅4〜5m、落差は1m以上。本丸よりやや高い小山、諏訪曲輪との間にも、スケールは小さくなるがしっかりと堀が掘られている。
大手門の先には、土橋でつながる馬出状の曲輪もある。各所に技巧を凝らしてあるのはよくわかる。
とはいえどうにも、ここで勢いに勝る信長軍を防ぐことができそうには思えない。公園化されてしまった平城ゆえ、そう見えてしまうのかもしれないが……。
多少の防衛構造はあったとしても、この程度であれば、おけはざま山に踏みとどまったほうが、まだ粘れそうな気がする。撤退するには、敵に背を見せそれなりの犠牲を払わねばならない。その危険を冒す価値のある城でなければ、わざわざ撤退する意味がない。おけはざま山から沓掛城までは、直線距離でも約4~5kmある。






