敵側ルートがありえそうなワケ

沓掛城と大高城、改めて見比べてみると、その守備力の差は歴然としているように思える。前日運び込んだ兵糧も城内にあることも加味すると、義元が目指したのはやはり、大高城だったのではないだろうか。

もうひとつ、西ルート説を信じたい理由がある。義元ははたして、おけはざま山で敗戦を悟っていたか。想定外の急襲で大混乱に陥ったとはいえ、圧倒的な兵力差もある。「態勢を立て直せば、まだいける!」と考えていたなら尚更、敵側へと楔くさびを打ち込める大高城へと前進するのも大いにあり得た選択だろう。

いずれにせよ、その目的を完遂することなく、志半ばであっけなく散ってしまったのだが――。

大高城本丸のナゾ遺構。横堀のように見えるが、曲輪のほぼ中央部の中途半端な位置にあり、妙な形にうねっておりしかも浅い。城の遺構ではないのかもしれない
撮影=今泉慎一(風来堂)
大高城本丸のナゾ遺構。横堀のように見えるが、曲輪のほぼ中央部の中途半端な位置にあり、妙な形にうねっておりしかも浅い。城の遺構ではないのかもしれない
【図表】戦国の城・5技能採点表「大高城」
編集部作成

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