手帳の選び方、1週間の組み立て方法、自分の軸のつくり方……。時間管理の達人たちが試行錯誤の末にたどりついた実践的なテクニックと、その背景にあるセオリーを披露する。
▼大越健介さんのメソッド
ニュースキャスターの仕事は、時間に追われる宿命にあります。番組開始は夜9時と決まっていますが、早朝ロケや午前中から企画会議に出ることもあります。午後は試写やコメント作成など、けっこう忙しい。一方で、心の余裕を持って、世の中で起きているさまざまな事象に目を向けていなければなりません。取材やニュースの発生状況を見ながら、臨機応変にその場でやることを決めていきます。
午前中に取材や会議がなければ、自宅から1時間かけて駅まで歩いたり、たまにプールで泳ぐなど、午前中に体を動かすこともあります。健康管理は、キャスターの重要な仕事。体調を崩すと大勢の方に迷惑をかけることになるので、その点は気をつけています。
通勤時間には新聞を熟読します。家が八王子で電車に乗っている時間が長いので、むしろ好都合です。スマートフォンでもいろいろな記事を読んでいます。特に社説や論説にはじっくり目を通します。
出張で新幹線や飛行機に乗る場合は、ブログ執筆にあてます。ブログは番組のものが週1回。ほかに「週刊ベースボール」で隔週連載しているコラムもあります。1200字程度ですが、書きだすといろいろ凝り始めて3~4時間は要してしまう。ニュースのコメントとは勝手が違いますが、書くこと自体は好きなので楽しんでやっています。
ほかに工夫しているのは、ランチミーティングかな。旧知の国会議員や秘書、ワシントン時代の友人たちと会って情報交換したいのですが、番組があるので平日夜の会食は無理。そこでオフィシャルな用事が入りにくいランチタイムを狙って声をかけ、一緒にご飯を食べています。
大越健介(NHK「ニュースウオッチ9」キャスター)
1961年生まれ。東京大学卒業。東大野球部では投手として活躍し、83年には日米大学野球選手権大会の日本代表選手に初めて東大から選出。85年NHK入局、政治記者を16年務める。ワシントン支局長、「ニュースウオッチ9」編集責任者を経て、2010年より現職。
1961年生まれ。東京大学卒業。東大野球部では投手として活躍し、83年には日米大学野球選手権大会の日本代表選手に初めて東大から選出。85年NHK入局、政治記者を16年務める。ワシントン支局長、「ニュースウオッチ9」編集責任者を経て、2010年より現職。