手帳の選び方、1週間の組み立て方法、自分の軸のつくり方……。時間管理の達人たちが試行錯誤の末にたどりついた実践的なテクニックと、その背景にあるセオリーを披露する。

▼太田彩子さんのメソッド

先方が多忙で、思うように商談のアポが取れないと悩む営業職の方は少なくありません。そうした人にお勧めしているのは、朝時間の活用です。電話するにせよ訪問するにせよ、朝に行うことで成功率はグンと高まるのです。

朝に営業活動する利点は2つです。まず1つは、普段会えない人にアプローチできること。業績のいい会社の社長ほど朝が早いという通説がありますが、私も同感。始業時間前に訪問したところ、受付や警備の方が不在で、社長や役員の方が直接対応してくださったという経験を何度もしています。

朝はみなさん機嫌がいいという点も魅力です。普段は忙しくてイライラする人も、朝は余裕があるので穏やか。「おはようございます」と元気に声をかければ、たいていは笑顔で応じていただけます。これは電話営業も同じ。朝のほうが話を聞いてもらえる確率は高いと思います。

意外なところでは、ランチタイムも有効です。12時から1時は昼休みという常識があるかもしれませんが、多忙な人の中には、ランチを手短に済ませて昼休みにオフィスワークをこなしている方も珍しくありません。朝と同じく盲点になる時間帯なので、積極的にアプローチしたいところです。

うまくアポが取れたら、1回目の商談中に2回目のアポを取ることを心がけてください。後日改めてアポを取ろうとしても、相手の興味が薄れていて断られる場合があります。メールや電話と違い、対面では断りづらいという心理的効果もあります。できればその場で具体的な日時まで決めましょう。

太田彩子(ベレフェクト代表取締役)
早稲田大学卒業後、リクルートに入社。企画営業として社内MVPを3度受賞。2006年ベレフェクト設立。現在は女性営業の育成に特化したコンサルタントとして活動。支援した女性は4万人以上。著書は『1億売るオンナの8つの習慣』ほか。