※本稿は、上岡正明『人生が劇的に変わる 「1分」の使い方』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
お金持ちがみんな「幸せ」とは限らない
心理学者で、ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマンが唱えた「幸福の飽和点」という研究があります。「年収7万5000ドル(現在のレートで約1100万円)を超えると、幸福度はそれ以上ほとんど上がらない」というものです。
ビジネス書などでたびたび引用されているので、ご存じの方も多いでしょう。しかし、2023年に発表されたカーネマンらの研究で、この定説にある条件が加わりました。
研究では、「幸福度が低い人」「幸福度が高い人」の2つのグループに分け、年収と幸福度の関係を調べました。すると、幸福度が低いグループは、一定の年収で幸福度が頭打ちになった一方、幸福度が高いグループは、年収の増加とともに幸福度の上昇がさらに強まったのです。
この研究結果から見えてくるのは、どれだけお金を稼いでも幸せになれない人と、お金を稼げば稼ぐほど幸せになる人が存在するということです。両者の違いは、一体どこにあるのでしょうか。
「幸せなお金持ち」になる人の条件
これは私の考えですが、「自分が誰かの役に立っているか」「社会に貢献していると感じられるか」が鍵になると思っています。心理学の世界で、「自己有用感」と呼ばれている感覚です。
同僚から感謝された、組織の役に立てた、家族が喜んでくれた、社会から評価された……。こうした喜びを味わっている人は、幸福度も右肩上がりで伸びていきます。このように幸せを伸ばし続けている人を、私は「幸せなお金持ち」と呼んでいます。
幸せなお金持ちには、いくつかの条件があると思っています。まず、お金に束縛されていないこと。「もっとほしい」「まだ足りない」と思っているうちは、資産が何億円あったとしても、それは「不幸せなお金持ち」です。

