獺祭とは何か。それは、株式会社獺祭の会長である桜井博志氏が、35年にわたり問い続けてきた命題だ。
「酒に限らず、どんなに優れた商品でも、努力を怠ってしまえば、時代の流れとともにどうしても社会と合わなくなっていきます。社会とズレたときに、商品をどうブラッシュアップするか。経営者の力が試されるのです」
桜井 博志●獺祭会長。1950年、山口県周東町(現岩国市)生まれ。大学卒業後、西宮酒造(現日本盛)を経て、76年に家業の旭酒造(現獺祭)へ入社。父と対立しいったん退社するも、84年に父の急逝を受け家業に戻る。純米大吟醸「獺祭」を生み出し、人気を博す。
本書は、変化する時代のなか桜井氏が純米大吟醸「獺祭」とともに歩んだ記録である。「獺祭」を販売した1990年当時、アルコールを添加した普通酒がほとんどだった。純米大吟醸は、50%以上削った米と米麹、水だけでつくる。市場もなく、量産技術も確立されていない時代に、桜井氏が強靱な意志と弛まぬ努力で「獺祭」ブランドを打ち立て、市場を開拓した――。それが、巷間の「獺祭神話」だ。「実は……」と桜井氏は、苦笑いして真相を解説する。
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(インタビュー・文=山川 徹 撮影=的野弘路)


